イラク戦争の動機について、「ドル基軸通貨体制防衛が原因だ」と書きました。  しかし、もう一つ重要な理由があります。  時事通信 07 年 9 月 17 日付を引用してみましょう。  
 <「イラク開戦の動機は石油」=前 FRB 議長、回顧録で暴露 07 年 9 月 17 日 15 時 0 分配信 時事通信 【ワシントン 17 日時事】 18 年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリー ンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が 17 日刊行の回顧録で、 2003 年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシ ュ政権を慌てさせている。>  
 FRB のグリーンスパン前議長は、「イラク開戦の動機は石油だった」と暴露してい る。  これを聞いて、世界の指導者たちは「さもありなん」と思います。しかし、日本人の大 部分は「???」。  「平和ボケ」している日本人は、「石油のために人殺しする」のが信じられない。  しかし、これは厳然たる事実なのです。  この章では、国際関係を動かすファクターとして非常に重要な「資源」について触れ ていきます。                 
アメリカの本音と建前  
 アメリカの話をつづけます。  
 1991年のソ連崩壊後、アメリカは一種のアイデンティティークライシス状態になりま した。1945年以降 46 年間、米ソが対峙する冷戦が常態だったのですから当然です。 「次はどっちに進んだらいいのだろうか?」と混乱したとしても不思議ではありません。  
そんなアメリカ上層部に、進むべき方向性を与えてくれたのが、フクヤマさんの「歴 史の終わり」と、ハンチントン博士の「文明の衝突」。  フクヤマさんは、「リベラルな民主主義が政治の最終形態であり、歴史の終わりであ る」といいます。  ハンチントン博士は、「二極(米ソ)体制が崩壊した後の世界は、文明同士の衝突が 起こるだろう」と予測します。   そして現在、世界はお二人の予想どおり進んでいるように見えます。  例えば、旧ソ連諸国で次々と起こったカラー革命。これは、リベラルな民主主義を求 める民衆が、独裁的な体制を崩壊させたように思える。  また、9. 11 テロ、アフガン攻撃、イラク攻撃と続く一連の流れは、「キリスト教対イ スラム教の戦い」、つまり文明間の衝突のように見えます。  
 皆さんも、同じような意見の専門家の話を何度も聞いたことがあるでしょう。 本当にそうなのでしょうか?   ブッシュ前大統領は、二言目には「民主化」「民主主義」と言いたがりました。ですか ら、アメリカは「世界をリベラルな民主主義にし、歴史を終わらせる」という崇高なミッシ ョンを遂行しているように見せています。  
 しかも、ブッシュは敬虔なキリスト教徒ですから、「異教徒イスラムをぶちのめしたい」 という強い気持ちを隠すことができなかった。  事実ブッシュは 03 年、エジプトで開かれた米―アラブ首脳会議で、「アフガニスタン でテロリストと戦えと神に告げられ、そうした。イラクについても、神に圧政と戦えと告 げられた」と語っています。 さて皆さん――  ブッシュは、神様と民主主義のために戦争を開始したのでしょうか?  
 とんでもありません。  これがインチキであることを、一瞬にして証明しましょう。  もしアメリカがキリスト教の神のために戦っているのであれば、イスラム教国と仲良く してはいけないですね。  もしアメリカが民主主義のために戦っているのなら、「独裁者」と仲良くしてはいけな いですね。  実際、アメリカはアフガンを攻め・イラクを攻め・今はイランを敵視していますから、 「そのとおり!」ではあります。   まるごと、そうでしょうか?   サウジアラビア・アゼルバイジャン・カザフスタン・トルクメニスタン。   思いつくままザッとあげましたが、この四国の特徴はなんでしょう?   そう、イスラム教の独裁国家であること。   サウジアラビアは、政教一致の絶対君主制(!!!)。    アゼルバイジャンは、ソ連崩壊で誕生した新しい国。 初代大統領は、KGBの大物だったゲイダル・アリエフ。彼の死後、息子(!)のイリ ハム・アリエフが大統領になっています。一応選挙は行われましたが、公正な選挙だ と思っている人はいません。    カザフスタンも同じく旧ソ連。大統領のナザルバエフは、ゴルバチョフが「ゆくゆくは ソ連書記長に・・・」と考えていた優秀な男。米中ロといい関係を築き、経済を急成長さ せています。  しかし、独裁は独裁。 彼は 1990 年から現在まで 20 年も政権の座に居座っています。  
トルクメニスタンも同じく旧ソ連。 前大統領のニヤゾフは、独裁者の多い旧ソ連でも一番の独裁者でした。国中に彼 の肖像が掲げられ、お札にも大統領の顔。1999年12月、議会(一応ある)は、「大統 領の任期は無期限(!)」と決定しています。(ニヤゾフは 06 年 12 月死亡)  
 一体なぜこの四国を例にあげたのか? 
これらの国々はイスラムで独裁なのに、アメリカとそこそこいい関係を築いている のです。   ですから、ハンチントン博士のいう「文明の衝突」が起こっているとか、アメリカが 「歴史の終わり」を推進しているというのはインチキなのです。  決して二人の偉大な学者さんがインチキなのではありません。アメリカが自己の行 動を美化するために、二人の理論を利用しているということ。   ところで、これらの国々には他にも共通点があります。  
 そう、石油か天然ガス、あるいは両方がたっぷりある。   そうなのです。 これらの国々はイスラム教で独裁ですが、石油・ガスがたっぷりあり、アメリカに反 抗していない。だから、アメリカは独裁者を保護しているのです。  
 一言でいえば、アメリカにとって、「石油は民主主義よりも大事」ということ。   こういわれても、ピンとこないでしょう。  
 「え~~~、あの正義を重んじるアメリカが?とうてい信じられません」   その気持ちわかります。しかし、世界で起こっていることを注意深く見ていると、理 由がわかってきます。   増加し続ける石油需要   皆さん、「クリーンエネルギーの時代がすぐ来る!」なんて考えていませんか? と ころが、現実はそう甘くないのです。  私も地球の未来を非常に心配していますから、そう願いたい。しかし、実際はそう簡 単ではないのです。  
石油の需要は、これからも伸びつづけることがわかっています。  米エネルギー省によると、一日あたりの世界石油消費量は、2000年の約7700万 バレルから、05 年には8500万バレル、10 年9400万バレル、15 年 1 億200万バレ
ル、20 年 1 億1000万バレルと増加しつづけていきます。   2000年の時点で、石油は世界のエネルギー消費の 39%を占めていました。2 位は 石炭で 24%、3 位は天然ガス(22%)4 位原子力(6%)とつづきます。   2020年にはどうなるのでしょうか?  なんと 37%が石油。20 年間で2%しか減らない。減るといっても、もちろん、エネルギ ー消費全体内の割合が減るだけで、量は前記のように増加しつづけていきます。 2位は天然ガス(29%)になります。3位は石炭で22%。残り12%の中に原子力・水力・ 風力・太陽エネルギー・燃料電池などが含まれる。  
 同省の予測では、1996~から2020年まで、石油消費量は年平均 1.8%づつ増加 していく。天然ガスは同期に、年平均 3.3%づつ増加、石炭は 1.7%、原子力はマイナ ス 0.4%となっています。   一体どうして石油の需要は増えつづけるのでしょうか?   第一の原因は、石油が非常に便利なエネルギーだということ。  あまり考えたことありませんが、石油って何に使われているのでしょうか?  発電・暖房・交通エネルギー。 発電や暖房は、ガス・石炭でもいけますが、交通エネルギーは、今のところほぼ石油 の独占状態にあります。ガソリン・ディーゼル燃料・ジェット燃料等々、実に交通エネ ルギーの 95%が石油製品。  その他、潤滑油・プラスチック・化学繊維等にも使われています。  このように石油はマルチなエネルギー源ですので、なかなか新エネルギーが普及し ていかないのです。   この事実をふまえて他の原因を挙げると、人口増加と経済成長。  人口が増えればエネルギー消費が増えるのは、理解できますね?  「しかし、日本は 05 年から人口が減少しているではないですか?」  それは日本の話。世界全体ではまだまだ人口増加がつづいていくのです。  世界の人口は1950年、わずか 26 億人でした。それが、1999年には 60 億。50 年 で倍以上増加しています。  
 そして現在、世界の人口は年間8000万人のペースで増えつづけている。米商務 省によると、06 年に世界人口は 65 億人を突破。同省の予測では、13 年に 70 億人、
27 年に 80 億人、45 年には 90 億人を超えます。  国別で見ると、06 年時点で、1 位中国(13 億人)、2 位インド(11 億人)3 位アメリカ(3 億人)、日本は1億2700万人で 10 位。 50 年後にはどうなるかというと、1 位インド(16 億人)2 位中国(14 億人)、3 位アメリカ (4 億人)。  人口が増えるので、石油の消費も増える。   そうはいっても、「人口が増えたから石油の消費が増える」というのは、真実の半分。 自然と調和して生きているアマゾンやアフリカの原住民・エスキモーや遊牧民がいくら 増えても石油消費は増えないでしょう。  
人が豊かになり、ガソリンを使う自動車を買う。電気を使う冷蔵庫・洗濯機・テレビ・ エアコン・パソコン等々を買う。これが需要増の最大の原因。  
世界総生産(GWP)は、1950年から 50 年間で、6 兆ドルから 41 兆ドルまで 6 倍 増加しました。  
ところで、人類は経済成長をやめるつもりがあるのでしょうか? まったくないですね。 先進国でもマイナス成長になったら首相の首が飛びます。  
石油消費量が特に急増していく見通しなのが、成長著しい中国とインド。 米エネルギー省のデータによると、中国の石油消費量は、1999年の日量430万バ レルから20年には1040万バレルまでに2.5倍(!)増加。それまで年平均4.3%(!) のスピードで増えつづけていきます。  
 インドは、1999 年の日量 190 万バレルが 2020 年には 580 万バレルに3倍化(!)。 年平均の増加率は 5.4%(!)。  
 最後に、この国のことを語らずにはいられません。アメリカの消費はどうなのでしょう か?  同省によると1999年の日量1950万バレルが2020年には2580万バレルに。2 020年の時点でも、世界一の石油消費大国に居座りつづけます。   もっと先の話をしましょう。30 年の予測では、中国の消費量は日量1500万バレル。 アメリカは2760万バレル。アメリカの世界需要に占める割合は 23%で依然として首
位。中国は 13%で 2 位の座をがっちり守っています。  そろそろ皆さん、疑問が出てきたのはないでしょうか?  そんなに需要が増えて、石油は枯渇しないのですか???   石油がなくなる日   どんなに石油需要が増加しても、埋蔵量が無限であれば問題は起こりませんが、果 たして無限なのでしょうか?  そんなことないですね。  いつかは枯渇します。いつ枯渇するのでしょうか?  
 これは、はっきりわからないのです。なんといっても石油は地下に眠っていて、正確 な量などわかりません。  
 しかし、大体の予想はできます。 石油大手BPのデータによると、世界の石油確認埋蔵量は前世紀末時点で1 兆33 0億バレル。 もちろん未確認埋蔵量もあります。未確認ですから正確な量はわかりません。専門 家の意見を聞いても、2000億バレルから9000億バレルとバラつきがある。   まあいずれにしろ、2040年おそくても 60 年までに石油は枯渇するというのが多く の専門家の意見です。  
 量が少なくなれば、獲得競争が激しくなるに決まっています。 もちろん代替エネルギーにシフトするのがベストですが、既にお話したように、今の ところ期待できません。  もっと決定的なお話をしましょう。アメリカの確認埋蔵量は約300億バレル。現在の テンポで生産を続けていった場合、BPの予測では 11 年後に同国の石油は枯渇する。  どうすればいいのでしょうか?  わかりますね。  他の国からもってくればいい。   中東産油国の存在感   アメリカというのは、実は石油大国です。 
生産量も毎年、サウジアラビア・ロシアとトップを争っている。ところが、圧倒的に消 費量が多いため、輸入量が増加しつづけているのです。   アメリカの輸入量は1950年、日量約32万バレルでした。それが、1970年には10 倍化し、76 年には700万バレルを突破。2000年からは日量1000万バレルを超え ています。同国の石油輸入量は、全世界の原油生産量の約 8 分の 1(!)。   輸入依存度ですが、1960 年代はまだ 20%程度でした。アメリカ政府の予測だと同 国の輸入依存度は2025年、65%~70%に増加します。なんといっても、自国の石油 が枯渇しつつあるのですから、当然といえば当然。  
 「一体どこから持ってくればいいのだろう?」  政府は頭を悩ましている。実をいうと選択肢はそう多くありません。  石油に恵まれた地域は、中東・カスピ海(中央アジア・コーカサス)・ロシア・南シナ 海等。  
しかし、中東の存在感は他を圧倒しています。  サウジアラビアの確認埋蔵量は 2000 年時点で 2635 億バレル。世界総埋蔵量の 25%(!)。これはアメリカ・カナダ・南米・欧州・旧ソ連諸国の合計を上回るとてつもな い量なのです。  
アメリカがどうして、政教一致の絶対君主=独裁者を保護しているのかわかります ね。「中東民主化!」というスローガンは都合のいい時にだけ使うキレイ事にすぎませ ん。  
 BPのデータによると、イラクは1125億バレルで世界 2 位。約 11%を占めています。  先に、「フセインが原油の決済通貨をユーロにかえたことが、イラク攻撃の真因」と いう話をしました。  
しかし、石油が枯渇しつつあるアメリカ。 決済通貨をユーロからドルに戻すと同時に、膨大な石油利権を独占するのも悪くな いでしょう。事実、アメリカは、フセイン時代イラクの石油利権に入りこんでいたフラン ス・中国・ロシアを追い出し、利権を独占しています。  
 3位は978億バレルのアラブ首長国連邦(9.4%)、4位はクウェート(965億バレル・ 9.3%)。 
 5 位はイラン(897億バレル 8.7%)。 ここで賢い皆さんは考えてしまったでしょう? 「アメリカが核保有を宣言しテポドンをぶっ放す北朝鮮にやさしく、核のないイランに厳 しいのはもしかして――」  そう考えるのが自然です。 その他、バーレーン・オマーン・カタール・イエメンなどにも石油があります。  9 カ国は現在、総産油量の約 30%を占めている。   埋蔵量は合計6730億バレルで、なんと全世界の 65%(!!!)。   これはどういうことかというと、「中東石油が世界の石油消費に占める割合はこれ から増えつづけていく」ということ  1999年、世界の石油消費に占める中東石油の割合は27%でした。これが、2010 年には 33%、2020年には 39%と増加していく。  
 物がありあまっていて、買い手が少ないとき。これは買い手市場で、安く叩けます。  しかし物が少なく、買い手が多いとき。これは売り手市場でどんどん値段が上がって いきますね。  
 石油は 90 年代、買い手市場でした。 1998年にはバレル 10 ドル代で取引されていた。ところが、2000年代になるとグ ングン値段があがり、08 年には 140 ドルを突破。 その後、経済危機の影響により、一時 30 ドル台まで大暴落しましたが、すぐに戻し、 今はバレル 70~80 ドル台をウロウロしています。  
 (未確認埋蔵量もありますから、いつ枯渇するのかはわかりません。しかし、需要が 長期的に伸びつづけ、供給が先細りという傾向であることは間違いありません。  より重要なことは、「実際どうなるか?」ではなく、「アメリカ政府がどのように考えて いるか?」ということ。未来に備える外交は、事実ではなく予測に基づいて決定するし かないのですから。)   
アメリカは中東への軍事介入を恐れない  
世界は中東石油への依存度を強めていく。 
これってアメリカにとってはどうなのでしょうか? 
  
アメリカは、石油大国のサウジアラビア・クウェート・アラブ首長国連邦などと比較的 良好な関係を築いています。しかし、イランのような反米国家もある。そして、中東イ スラムの民衆は皆超反米。世界埋蔵量の四分の一を占める親米サウジで革命が起 こった日にゃあ。   先にイラクの例を挙げましたが、アメリカが今後、「資源の宝庫」中東を抑えるため に武力を使う可能性はあるのでしょうか?  あり得る話です。非常に。  
 実をいうと、アメリカにとって中東への軍事介入は、決意が必要なできごとではない のです。  少し歴史を振り返ってみましょう。  石油需要が激増したのは、20 世紀初頭のこと。それ以前も石油は使われていまし たが、主に灯火用でした。  ところが1912年、イギリス軍が軍艦のエネルギーを石炭から重油に変更。これ以 降、石油は戦争や交通にかかせないエネルギーになります。   アメリカは当時世界最大の産油国。中東には、それほど関心を持っていませんでし た。  しかし、第 2 次大戦の終結と冷戦のはじまりによって、政策の転換を迫られることに なります。つまり、ライバルソ連が中東産油国を支配下に置くことを恐れたのです。   アメリカは、トルーマン・ドクトリン(1947年)でもアイゼンハワー・ドクトリン(1957 年)でも、中東の全ての国に対し、ソ連あるいはソ連の同盟国から攻撃された場合、 米軍が支援することを約束していました。   そうはいっても、アメリカがすぐ、中東を真剣に支配しようとしていたわけではありま せん。この地域は伝統的にイギリスの影響圏にあったのです。  
本腰を入れ出したのは、1968年にイギリスのウィルソン首相が、「1971年末まで にイギリス軍を中東から撤退させる」と発表した後。   
当時国家安全保障会議の議長だったキッシンジャーは、ニクソン大統領に、中東へ の関与を強めるよう進言します。  
ところが問題があった。当時アメリカはベトナム戦争の真っ最中で、中東まで手が 回らなかったのです。そこで、米政府は、イギリス撤退後中東で共産勢力が拡大しな いよう、地域の大国(具体的にはサウジとイラン)を支援することにしました。   アメリカがさらに、中東の重要性を認識するきっかけになったのが、1973~74 年 のオイルショック。   1973年、第四次中東戦争が勃発。アラブ諸国はイスラエルの肩を持つアメリカへ の原油輸出停止と他諸国への輸出制限を決めます。   オイルショックは世界経済に大打撃を与え、アメリカ政府も中東政策を変更せざる を得なくなります。   1975年、国務長官になっていたキッシンジャーは、「(産油国の行動が)なんらか の形で先進工業世界の首を絞める事態が起これば、アメリカ政府は躊躇なく武力を 行使する」と断言。  
 1979年、イラン国王がイスラム原理主義勢力に打倒されるイラン革命が起こりまし た。世界は第二次オイルショックに直面します。   1980年、普段は温和なカーター大統領が強気の発言。 曰く「ペルシャ湾の支配権を握ろうとする外部勢力の試みは、いかなるものであれ、ア メリカ合衆国の死活的国益に対する攻撃と見なされ、必要ならば武力行使を含むあ らゆる手段によって排除される。」  
 そうなんです。アメリカは大昔から、もしアメリカ以外の勢力が中東を支配しようとす れば、武力を使うと宣言している。  
 さて、中東ではその後、何が起こったのでしょうか?   1980~88 年のイラン・イラク戦争で、アメリカはサダム・フセインを支援。  ところが1990年 8 月、フセインがクウェートに侵攻したので、ブッシュパパはイラク
との戦争に踏み切り、もちろん勝利します。   アメリカは湾岸戦争後も、必要ならば武力を使うという意志を示し続けてきました。   1995年、ジョセフ・ナイ国防次官補は「同地域(中東)におけるアメリカの死活的に 重要な国益を守る態勢は維持しつづける。必要ならば単独でも」と語っています。   意味するところは、アメリカは中東における利権を守るために、いつでも単独武力 行使に踏み切る準備があるということ。  
 そして、ジョセフ・ナイの言葉は実行に移されています。アメリカは、1998 年 12 月に イラクに対して空爆を実施。 99 年 8 月までの 9 ヶ月間で攻撃目標 359 ヶ所に1100発のミサイルを撃ち込みま した。空爆はその後も、03 年にイラク戦争がひと段落するまで、繰り返し行われてい ます。   このように、アメリカが必要に応じて、中東で武力行使することは既定の方針。これ からもそうするに違いありません。   中東支配をめぐる米中の争い  
もう一つの脅威。 中東産油国は現在、徐々に輸出相手を多角化しています。つまり、「アメリカさん、 あなたが買ってくれなくても、全然困りませんよ」という状況になりつつあるのです。   
例えば中国の中東原油輸入量は、2000年から2020年までに 10 倍増加し、日量 530万バレルになることが予想されます。   どうでしょう?  石油消費量 1 位アメリカと 2 位中国は、ペルシャ湾を抑えなくて、どうやって経済成 長をつづけるのでしょうか?   この地域がどうしても必要ということであれば、両国の間に紛争が起こる可能性も 否定できません。   
皆さんここで、ちょっと考えてみてください。これはファンタジーでしょうか? それと も起こり得る現実的な悪夢でしょうか?  
「もし、中国の一人当たりのエネルギー消費量が日本並みになれば、中国一国だ けで、世界のエネルギーの 70%を必要とするようになるだろう。 また、もし中国のエネルギー消費量がアメリカ並になれば、この国は世界の生産能力 を超える石油を必要とするようになる。これは当然、中国との紛争の元である。  もちろん、石油を必要とするのは主に国内消費のためだろうが、中国がアメリカとの 紛争は必至と考えても不思議ではないし、それに備えていると思われる。  中国はたえず、産油国との関係改善を図っている。そしてそのほとんどは、いわゆ る「ならず者国家」である。」 (2002年 6 月 20 日、フランク・ギャフニー元国防総省副長官)   米中の未来   現在の世界を見ると、覇権国家はアメリカ、そして次期覇権国家候補は中国しかい ません。  
80 年代は、「日本が次の覇権国家に」などと普通に考えていませんでしたか。そう いう論調はあちこちで見られました。  バブル崩壊後も「21 世紀は日本の時代だ!」などという人もいました。   そういいたい気持ちもわかります。私も祖国日本を愛していますから、そういう希望 的な言葉をいいたい。  しかし、予測・分析する立場としては、真実を語らざるを得ません。日本は覇権国家 になれないのです。  なぜか?  
「覇権」という言葉を辞書で見ると、「支配権」とあります。  経済辞典を見ると、「大国が権力によって他国を支配すること」とあります。覇権国 家というとわけがわかりませんが、要するに「世界を支配している国」ということ。   共産陣営の覇権国家はソ連でした。クレムリンが「ああしろ、こうしろ」と全世界の書 記長に指令を出していた。   
アメリカは民主主義国家ですから共産陣営と比べると、ゆるい支配ですが、いろい ろと内政干渉してきますね。   日本が戦後アメリカに逆らったことは、数えるくらいしかありません。 田中角栄がアラブ・中国と独自外交をしたとき。細川さんがアメリカに行き、クリント ンの要求に全部「NO」といったとき。橋本さんが、「あんまり理不尽な要求すると、米 国債を売りたくなるんだよね」とアメリカを脅迫したとき。   こういう例外もありますが、日本の首相は、概して米幕府将軍のいうがままに右往 左往してきました。   欧州は天領の日本と違い、譜代大名ですから多少の自由はありますが。  
アメリカのイラク攻撃について、どの国も理不尽だと思ったはずです。 しかし、実際に最後まで反対したのはドイツとフランスだけでした。もちろんアメリカ の覇権外にいる中ロは最後まで抵抗しました。   覇権は支配権。  
そして、支配権の源泉とはなんでしょうか?  嫌われそうですが、正直にいえば金と力です。  普通の言葉でいえば経済力と軍事力。  
 「え~、徳や品格は必要ないのですか?」   『国家の品格』(藤原正彦著)を読んで感動した、多くの日本人はこんな風に聞きた くなるでしょう。私も、品格ある世界であったらいいなとは思います。   徳や品格はあった方がいいですが、覇権国家の絶対条件ではありません。   インカ帝国の現地人を大虐殺し、滅ぼし奴隷化したスペインに徳はありましたか?  麻薬(アヘン)を売りたいがために中国に戦争をしかけたイギリスに徳はありました か?  スターリンのソ連に品格はありましたか?  今のアメリカに徳や品格がありますか?   
まったくないですね。  
 日本は、経済力で世界 3 位。しかし軍事力を見ると核もありませんし、軍事費はアメ リカの十分の一。  中国は国内総生産(GDP)で世界 2 位。軍事費も世界 2 位。 ただし、アメリカが覇権を「ハイどうぞ!」と譲るかという問題はあります。   人類歴史は覇権争奪戦  
 ニーチェは「人間の本質は権力への意志である」といいました。   まあ、そうでない人もいると思いますが、そういう人も多いです。   例えば、会社に入れば、出世競争に励む。目指すは、会社の社長です。  起業すれば、業界内の順位を徐々に上げていき、できれば一位になりたい。   国家も同じ。 まずは地域で一番になりたいし、その後は覇権国家を目指したい。   「なぜそうなのですか?」と聞かれても答えようがありません。登山家が頂上へひた すら急ぐように、国家は覇権の拡大を目指していく。  人類の歴史を見ると、常に覇権争いが起こってきました。絶え間ない戦争の歴史。 どんな争いがあったのか、超簡単に振り返ってみましょう。  
ポルトガル対スペイン  16 世紀、ポルトガルとスペインが熾烈な植民地獲得競争を繰り広げていました。両 国は世界各地で戦っていた。  それでローマ法王が調停に入ります。  「スペインは、新大陸(南北アメリカ)を治めなさい。ポルトガルはアジアを治めなさい。 ア~~~メン」  それで両国が納得したというのもすごいですね。  
ポルトガルは、東洋貿易を独占、中国や日本とも通商を開始しました。首都リスボ ンは、世界商業の中心になります。  この頃スペインは新大陸に進出。アズデク・インカ帝国を滅ぼし、16世紀末までに中 南米のほとんどを支配下に置きました。  ここには大量の金銀があった。スペイン人は現地人を奴隷化し、採掘にあたらせま
した。そして、次第にポルトガルを圧倒する力をつけていったのです。  
スペイン対オランダ・イギリス  しかし、スペインの栄光も長くはつづきませんでした。毛織物業の中心地だったネー デルランドが独立戦争を起こしたのです。ネーデルランド(オランダ)は1581年に独 立。  またスペインは1588年、イギリスとの戦争にも敗れ、没落していきました。  
オランダ対イギリス  覇権争いは絶えることがありません。1602年、オランダは東インド会社を設立。世 界に進出し、各地でポルトガル・スペインと戦争を行い、勝利します。17 世紀初め、ア ムステルダムは世界経済の中心になっていました。  
 一方イギリスは、1600年に東インド会社を設立。オランダと競争を開始します。とこ ろが、まだ力不足で各地でオランダに敗退。東はインド、新大陸は主にアメリカを活動 の拠点にしました。  世界各地で小競り合いを繰り返すオランダとイギリス。結局本国同士の戦争に発展 します。  三次にわたる英蘭戦争(1652年・1665年・1672年)にイギリスは勝利。オランダ は没落。以後復活することはありませんでした。  
イギリス対フランス  オランダを蹴落としたイギリス。しかし休む間もなく、今度はフランスとの争いが激化 していきます。  フランスは、イギリスが既に入っている場所に遅れて進出していった。例えば、北 米・インド・西インド諸島・アフリカ等々。  
 イギリスは、1702~1713年のアン女王戦争、1744~1748年のジョージ王戦 争、1754~1763年のフレンチ‐インディアン戦争に勝利し、フランスを北米大陸か ら駆逐します。   またイギリスは、インドの支配権を決めるプラッシーの戦い(1757年)にも勝利しま した。  こ うしてイギリスの世界覇権は決定的になったのです。  その後1776年のアメリカ独立、18 世紀末から 19 世紀初めのフランス・ナポレオン
の活躍などで一時苦境に陥ることはありましたが、イギリスの覇権は揺るぐことがあり ませんでした。  
イギリス対ドイツ  鉄血宰相ビスマルクが有名なプロシアは、1871年周辺諸国を統一し、ドイツ帝国 を成立させました。  
 ドイツはあれよあれよというまに成長を遂げ、欧州の強国になります。    1914年に起こった第一次世界大戦。主役はイギリスとドイツでした。  ドイツは敗退しましたが、ヒトラーの登場で復活。彼は世界恐慌を克服し、ドイツをあ っという間に世界第二の経済大国にしてしまいました。   そして第二次世界大戦。  ヒトラーの計画は、第一にドイツで権力を取る、第二に中央ヨーロッパの最強国にな る 第三にソ連を打倒し無尽蔵の資源を確保。次いでフランス・イタリアを衛星国にす る 第四にアフリカに大植民地を獲得。ドイツはアメリカ・イギリス・日本と並ぶ世界の 四大強国になる 第五にアメリカとの覇権戦争に勝利し世界を統治する。   まあ、こういう誇大妄想な話は抜きにしてもドイツの主な敵はイギリスでした。次の 主役になるアメリカとソ連が参戦したのは、第二次大戦勃発から 2 年後の1941年。  結果、イギリスは勝利しドイツは敗北。   しかし長期的に見ると、第二次大戦は欧州全体を没落させる結果になりました。  そして、時代は米ソ「冷戦時代」に移行していったのです。   このように、歴史は延々とつづく「覇権争い」であることがご理解いただけるでしょう。  そして、覇権国家と候補は常に戦争によってケリをつけています。   もちろん自ら自己の権力を否定し、支配権を手放すパターンもないわけではありま せん。  例えば大政を奉還し、自ら幕府をぶっつぶした最後の将軍徳川慶喜。冷戦に自ら幕 をおろしたソ連のゴルバチョフ。(しかし、米ソの代理戦争は、世界中で行われていま したが)。   
一言でいうとこうなります。 
  
覇権国家と候補は戦争によって決着をつける場合がほとんどだが、例外もある。 
  
逆の言い方をすれば、 
  
例外もあるが、覇権国家と候補は戦争により決着をつける場合がほとんど。  
そういえば中国は1989年から現在にいたるまで、20 年間も軍事費を毎年二桁増 加させています。  一体なんのために?   そういえば、アメリカの年間軍事費は、約60兆円。これは世界総軍事費の約半分。 一体なんのために?  
まさか、爆弾テロと戦うためではないでしょう。アフガン・イラクのことを考慮してもあ まりに多すぎませんか?   歴史を見ると、米中が戦う可能性はとても高い。そして、両国はその日に備えて軍 備を増強しているのです。   アメリカの戦略を考える  
ここまで長々とアメリカが抱える問題についてお話してきました。覇権国家アメリカ が現在直面している問題は三つ。  
 すなわち 1、双子の赤字 2、石油が枯渇すること 3、中国の台頭。   皆さんも会社などで、戦略を立てますね。 その第一歩はなんでしょうか? そう目標を立てることです。  覇権国家アメリカの目標はなんでしょうか?   業界1位の会社が立てる目標はなんでしょうか?  そう、業界1位にいすわりつづけることです。その後、「いすわりつづけるためには どうするか?」という話がでてきます。 
  同じように経済力・軍事力で世界一のアメリカの目標は、「覇権国家にいすわりつ づけること」となります。  
 これはもう必然的な結論です。これ以外の目標があり得るでしょうか?  
アメリカの目標は「覇権国家でいつづけること」である。  
次のステップは現状を理解することです。  
現状はすでに見てきました。 アメリカは三つの問題(双子の赤字、石油・ガス、中国)を抱えている。 双子の赤字はドルが基軸通貨であるかぎり大丈夫という話でした。ではアメリカは どうするか? そう、ドル基軸通貨体制を守る。  
次。石油の 65%は、中東に眠っているという話でした。ではどうするか?  そう、中東を支配する。   これは必ずしも武力を使って支配しなくてもいいのです。 例えば、アメリカはリビアのカダフィ大佐を脅迫し、服従させることに成功しています。 サウジアラビア・クウェート・アラブ首長国連邦などにも武力を使っていません。要は、 アメリカに石油をドルで売ってくれれば問題ない。  
その他に、カスピ海(中央アジア・コーカサス)・ロシアにも膨大な量の石油・ガスが 眠っていますから、ここも支配したい。   最後に、中国がアメリカの覇権を脅かす存在になりつつある。ではどうするか?   中国を民主化し、傀儡政権を立て、ドル圏離脱を許さない。  
以上三つは、アメリカが抱えている問題の解決策として必然的に出てくる解答です。 もちろん、中東・欧州(の反米勢力)・中国・ロシア等が反対してくるでしょうから、状況 に応じて計画が変更されることもあります。 しかし、理想的図はこうなる。  
アメリカは、ドル体制に反抗してくる国々(例えばイラク)を「民主化」の名目でぶち のめし、世界の石油・ガスを支配し、中国を民主化しドル圏にとどめる。  世界には独立国家が多々あるものの、どの国もドルを使っている。アメリカ政府は 世界通貨発行権と圧倒的軍事力を持ち世界を統治している。   イラク戦争再考  
アメリカの内情が全部わかったところで、イラク戦争のことを振り返ってみましょう。 全く違った絵が見えてくるはずです。  
皆さんもご存知のように、アメリカが挙げたイラク戦争の理由は、ことごとくインチキ であることがわかっています。  
ブッシュは当初「フセインはアルカイダを支持している」と主張していました。ところ が、全世界の専門家や研究者は、「フセインはアルカイダが大嫌いですよ!」と知って いる。  
次にアメリカは、「イラクは大量破壊兵器を保有している」と主張。 フセインは、無実を証明するために国連の査察団を入れて調査させています。そし て、結論は「イラクに大量破壊兵器は存在しない」でした。  
しかし、ブッシュは、03 年 3 月「48 時間以外に大量破壊兵器を出せ!出さないと攻 撃するぞ!」と脅迫しました。 フセインは困ってしまいます。ないものはどうやっても出せません。  
アメリカは、ない大量破壊兵器をあると主張しながらイラク攻撃を開始しました。  
アナン国連事務総長も「アメリカのイラク攻撃は国際法違反だ!」と断言しています。 (しかし、アメリカに対しては何もできないところに、国連の限界を感じます)  
戦争がひと段落したあと、反省期に入ってアメリカが困るのは、「ところで、どうして イラクを攻めたのですか?」と聞かれること。 アメリカ政府は現在、「独裁者を倒し中東を民主化するため」といっています。しかし、 初めに書いたように、少し賢い人なら、「サウジアラビアも独裁じゃないですか?」「核 兵器を保有しミサイルをぶっ放す独裁国家北朝鮮はどうなんですか?」と聞きかえす でしょう。 
 イラク攻撃というのは、それほど普通の人にはわけのわからない矛盾に満ちた戦 争だったのです。  ところが。  皆さんがここまで得てきた知識をもって再考すれば、イラク攻撃はアメリカの国益に 何重にもかなっていることが理解できるでしょう。  
イラク攻撃の理由。  
1、 ドル体制の防衛  既述のように、フセインは2000年の 9 月「石油の決済通貨をドルからユーロにかえ る」と宣言しています。そして 11 月、本当にかえてしまいました。  アメリカはイラク戦争後、決済通貨をユーロからドルに戻しています。  
2、 石油利権の独占  石油枯渇が目前に迫っているアメリカ。原油埋蔵量世界 2 位イラクの石油利権を独 占することは超重要課題です。  しかもフセインは当時、ロシアのルクオイル・中国CNPC・フランスTotal Fina Elf などと契約を結んだり、覚書を交わしていた。  これらが国連常任理事国の企業であるのは偶然ではありません。フセインは、常任 理事国に利権を与えることで、アメリカの攻撃を止めてもらおうと思っていたのです。  アメリカがイラク攻撃後、三国を追い出し利権を独占したことは既に触れました。   3、中国封じ込め  中東を支配する理由は、覇権国家候補中国を封じ込める意図もあります。中国の 経済成長は石油なしには成り立たないのですから。  アメリカと中国は同様の理由で、中央アジア・ロシアで争いを繰り広げていますが、 それは後ほど。  
 このように、アメリカのイラク攻撃は、「アルカイダ」「大量破壊兵器」「民主化」といっ たキレイゴトを忘れてみれば、とても理にかなった戦争でした。  今までは長期戦略の観点から話しましたが、まだ終わりではありません。 短期的理由もあるのです。  
 ITバブル崩壊後リセッションに陥っていた経済を活性化させること。  クリントン時代は、日本のバブル期以上の超好景気時代。ところが、ITバブルも20
00年には終わってしまいます。ブッシュは、非常に厳しいときに大統領になりました。  しかし、彼は見事にこのピンチを乗り切りました。 どうやったか? 01 年にはアフガンを、03 年にはイラクを攻撃した。  効果は、在庫を一掃し軍事産業を活性化させる、石油利権を独占する、復興利権を 独占する。  二つの戦争は公共事業として非常に有効で、アメリカの景気が持ち直したのは、皆 さんもご存知のとおり。  
日本はバブル崩壊後 10 年の暗黒時代に突入しましたが、賢いアメリカ政府は、戦 争により悲惨な状況を回避したのです。  
ここまでイラク戦争の長期・短期の利益を見てきましたが、ブッシュ支持基盤の利 益もありました。  ブッシュの支持基盤といえば、石油業界・軍産複合体・キリスト教右派・イスラエル。  石油業界・軍産複合体は儲かるし、キリスト教右派は、異教徒イスラムがぶちのめ されて満足。イスラエルは、宿敵フセインが倒されて満足。  このように、アメリカの真意を知って見れば、これはパーフェクトな戦争だったことが わかるでしょう。    ここまで、アメリカの現状・問題・戦略を詳しく見てきました、  キーワードは「ドル基軸通貨体制の防衛」「石油・ガス」「中国」です。